寒い冬を乗り切るだけでなく、健康のためにも体をあたためることはとても重要です。
冷えでお悩みの方も増えていますが、それもそのはず。1967年に行われた調査では、日本人の平均体温は36.89度でしたが、近年のある調査では約0.7度下がっているという結果が出ているそうです。
そこで、体を温めて基礎体温を上げ、体調不良などを改善する『温活』が注目されています。温活に役立つものとして、
1.体を動かすこと
低体温の主な原因は筋肉量の低下と考えられています。一日30分程度の歩行や、体操、ストレッチなどで、筋力をアップしていきましょう。
2.体を温める食べ物、飲み物
ショウガ、ニンニク、根菜類。味噌汁、スープ、ゴボウ茶、生姜湯、葛湯。朝起きたら、あたたかい白湯を飲む。煮込みやグリルなど加熱した料理もいいですね。
3.入浴
お湯の温度は38~40℃で15分程度、湯船にゆっくりと浸かる。
4.あたたかな睡眠環境
前述の入浴をすると深部体温が0.5度前後上昇します。その後、60~90分ほどたって深部体温が下がってくると、眠くなるため入眠しやすくなるそうです。湯たんぽや、布団乾燥機で少しお布団を温めてから眠るのもおすすめです。
5.保温グッズ
腹巻、レッグウォーマー、マフラー、カイロ等。首、手首、足首、膝の裏など血管が身体の外側にある部位を温める。背中の上部、肩甲骨の間にあるツボ『風門』を温めると、風邪予防になり、首や肩のコリが和らぐといわれています。
体が温まると心も温まってきます。楽しみながら温活に取り組み、心身ともにあたたかく過ごしてまいりましょう。
~余談です。~
私の冬の温活は入浴で、時々銭湯を利用しています。
近年、銭湯の数は減少しているのですが、もともと、京都市は銭湯の多い街なのです。2014年の統計では156件(スーパー銭湯、温泉旅館除く)の銭湯があり、平成21年の統計では、人口10万人あたりの銭湯数は9件と全国7位でした(青森県、鹿児島県、大分県、富山県といった温泉の豊かな県が第1から4位)。
深風呂、浅風呂、電気風呂、水風呂、薬風呂、サウナはほとんどの銭湯にあり、それ以外に、露天風呂、鉱石風呂、マグマ風呂、炭酸風呂、ジェット風呂、打たせ湯、天然温泉など、魅力的なお風呂を備えた銭湯が多く、良質の地下水を利用した銭湯や、お湯を沸かすためにマキを使っている銭湯もあります。
インコや犬がお店の人気者となっている銭湯もあり、仕事が遅くなった時には深夜営業している銭湯を、日曜の朝は朝風呂を楽しむこともできます。
さて、家庭のお風呂より銭湯のほうが温まるのはどうしてでしょう?
脱衣場やお風呂場が温かい、さまざまな種類のお風呂、体を伸ばして湯船につかれる、人との交流がある、などの理由が考えられますが、たくさんの水と火の自然の恵みをいただいていることもあるように感じられます。
一日の終わり、大きなお風呂に入ると身も心もあたたまり、それだけで幸せと思えるのは不思議です。心の中にいろんな思いがあったとしても、「あ~気持ちがいい」「まあいいか」と思えてくるのです。銭湯を利用されている方々も、表情がなごみ、楽しそうに会話をされたり、ご近所の子供の世話をしたりと、ほのぼのとされています。日本に銭湯の伝統があるのも、こういった様々な効用があるからではないでしょうか。