「3つの意味」
ある人が“しごと”には3つの意味があると教えてくれました。その3つは、私事、仕事、志事。私事とは個人的な用事を指すので、ここで言う“しごと”は、仕事、もしくわ、志事ということになります。
「気持ちに駆られ」
私にとっての「仕事」とは、文字通り、誰かのために、社会のために仕える、つまり、自分を役立てること。医師としての立場で言うと、患者さんや社会の健康のために自分の知識、経験を役立てること。そして、「志事」は、そのために、理屈を超えた、体の奥からわき上がるような気持ちに駆られて、足が前に出て動くようなもののように感じています。
「幸せな気持ち」
次に、日頃、意識しているのは、「3方よし」の精神です。相手よし、自分もよし、相手をとりまく周囲もよし。例えば、患者さん、そのご家族や支援者、クリニックとしてのチーム、それぞれが満足できる、幸せな気持ちになること。さらに、社会にとってもよい、を加えた「3方よし」ができれば、素晴らしいとおもいます。そして、仕事は一人ではできず、関わる人すべてが協力しあって成し遂げられていくものだと思っています。
「究極的」
蛇足ですが、私のしごとである、医療の場は、医療従事者=治す人、患者さん=治してもらう人、というような一方向の、主客が分離した見方がありますが、実際は、患者さんから教えられるというように、双方向な場です。そして究極的には、その場には、治す人も、治してもらう人もいない、つまり、主客はなく、ただ、well-beingがおきている場と言えると思います。