2020年から世界的に広がった新型コロナウイルス感染症によって、私たちの生活は大きな変化を余儀なくされました。手洗いやうがい、手指消毒やマスクといった予防が生活習慣となり、今でも継続されています。同時に大切なことは、免疫力を高めておくことです。免疫力は、十分な睡眠の確保や日中の休息、体をあたためる、十分な栄養を取る、腸内環境を整える等でアップするといわれています。一方、免疫力はストレスや加齢によって低下するため、ストレスを減らし、ストレスにうまく対処することも有用です。今回は、ストレスに対する精神力、いわば、心の免疫力を高めることについて分かち合いたいと思います。
私は、心がゆるみ、柔軟で、軽やかで、広がった、あたたかい感覚の時、心の免疫力が高まっているのではないかと思っています。そのためには、次の5つのことが重要だと感じています。
1つ目は、「他者の批判や非難、噂話をしないこと」です。
これらをしている時は、する方もされる方も気持ちがとげとげしくなり、後々も尾を引き、決して軽やかな気持ちになれません。
2つ目は「心地よい感覚を味わうこと」です。
1杯の紅茶がおいしい、陽ざしが気持ちいいというような、些細なこと、短い時間で構いません。その際に「心地いいなあ~、幸せだな~」と口に出すと、より心がゆるみ、あたたかい感覚がしてきます。
3つ目は「感動すること」です。
心の深いところからゆすぶられ、時には、なぜだかわからないけれども涙が出てくるような瞬間に、心は広がり、満たされたような感じがします。
4つ目は「ふれあい」です。
人やペットや世話をしている植物とふれあうとき、心のエネルギーがスムーズに流れ、森や海や空といった自然とふれあうと、自然のエネルギーに包まれ自然との一体感が感じられます。さらに、生かされ、支えられていることが感じられるとあたたかさだけでなく、感謝の念もわいてきます。
最後に重要なのは「呼吸」と「笑い」です。
私たち人間は、些細なことから、ついネガティブになったり、疲れて気力も出なくなることがよくあります。そんな時には、ゆったりとした呼吸を繰り返し、体をゆるめ頭を空っぽにすることで心に余裕が生まれてきます。そしてとりあえず、にっこり微笑む、笑ってみることで心は軽くなっていきます。
これらのことを、気づいた時にこまめにやってみる、そして、習慣になるまで続けていけば、自然と心の免疫力が高まっていくと思います。歴史を振り返ると、人類はさまざまな感染症に悩まされてきました。しかし、どのような感染症であっても、必ず適切な対策や治療法が講じられ収束してきました。
今回の感染症においても、混乱した状況は必ず去り、いずれ落ち着いた生活をおくれるようになるでしょう。そうだとしたら、過剰な不安やパニックに悩まされるのはもったいないこと。むしろ心の免疫力を高めるチャンスととらえ、自分なりの工夫をこらしながら心の免疫力を高めてまいりましょう。